千日紅はドライフラワーの優等生で栽培も簡単
ドライフラワーといえば、かすみ草やバラがすぐに思い浮かぶかと思いますが、実は隠れた優等生として「千日紅」があるんですよ。千日紅ってどんな花か知っていますか?
暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、5月〜11月と長期間咲き続け、花も長く持ち、その紅色が長期間保たれることから千日紅と呼ばれます。。庭や花壇、鉢に植えても育てることができ、フラワーアレンジメントにも欠かせない花となっています。そして、もちろんドライフラワーにも本当に適した性質を持つ花なのです。
正にドライフラワーになるために生まれた花、千日紅。
そのまま咲かせていても、立ち枯れながらほぼドライフラワー状態になりますし、摘んで花瓶に入れておいても自然とドライフラワーに。もちろん、切り花として楽しんだ後、吊り下げ式でドライフラワーにするのが一般的だと思いますが・・・。
千日紅の花の秘密を知っておこう
実はこのセンニチコウ、花のように見える赤色の部分は「苞(ほう)」もしくは「苞葉(ほうよう)」と呼ばれる、葉が変化したものなんだそうです。では、本当の花はどこにあるのでしょうか?「苞」の隙間にある、小さな小さな明るい黄色の部分。これがセンニチコウの、本当の花なんです。びっくりですね。
写真;武蔵国分寺公園HPより引用
みんな、千日紅の花は、丸いぼんぼりみたいな部分全てだと思っていると思うんです。私もその1人でした・・・・。この記事を書くのに改めて千日紅のことを調べていて初めて知りました。
植物の進化の中でも、花は子孫を残すためにポリネーター(受粉者)である昆虫を引き寄せるために様々な進化をしてきましたが、なかなか奥が深いです。
少しだけ話が脱線しますが、この千日紅のように一見花のように見える部分が実は花ではなかったという例では、ドクダミがあげられます。これもみんな、白い4枚の花びらのような部分が花だと思っているかと思います。実はこの白い部分は「総苞」という花を包み込むものであって、本当の花は、中心に飛び出た円柱状の花序(花穂)と呼ばれる部分に密集した小さな淡黄色の1本1本が一つの花なんです。
他にも、タンポポやひまわりは、黄色い花びら1枚1枚が実は一つの花であって、花のように見えるのは、小さな花の集合体だということですよ。これもびっくりです。
なぜ、千日紅はドライフラワーにし易いのか
千日紅は、先ほど説明したように、実際の花は包葉の間に隠れている小さな小さな花なので、この花自体はそう長くは咲いていません。長く持っていると勘違いしていたのは包葉部分だったんです。その包葉部分は、比較的硬く、乾燥し易いのです。実際千日紅を摘まずにそのままにしていると包葉部分を赤いまま残し枯れて行きながら、ちゃんと種を実らせています。
ドライフラワーに適したはなの条件を別の記事でも記載していますが、乾燥させ易い花は花びらが硬いのです。
千日紅は栽培もし易い
千日紅はとても栽培がし易い花の一つかもしれません。4月から5月頃暖かくなってきたら種を植えますが、比較的容易に発芽してくれます。
ホームセンターでは、4月頃からポット苗が100円前後で販売されますからそれを購入してもいいですね。ただ、私は、種まきから始めることで、栽培の楽しさも味わえ、それをドライフラワーにできた時の喜びや愛着が倍増することも知っているので、種まきスタートをお薦めしています。
種を買ってきて、育苗用のトレーに種を撒きます。※庭があれば直まきでも大丈夫ですし、ポットやプランターに直まきでも問題ありません。
芽が出て双葉から本葉が出始めたらポットに植え替えします。私はこのように、ポットでしばらく育苗していきますが、直まきの場合は植え替えの手間が省けて簡単です。私の場合は、この植え替え作業も楽しみの一つなので、ジミーに真面目に育苗作業をやっているだけなんです。
かなり苗が育ってきました。そろそろ定植(庭かプランターに植え替え)の時期の苗です。※手前のポット。
ポットのままでも花は咲いてくれますが、数が極端に少なくなってしまうので、やはり十分な土の量がある場所に植える方がいいでしょう。
とても丈夫で種も飛ばして増えていく千日草
千日草の繁殖力についてはあまり栽培方法の本やウエブでも書かれていませんが、花の中でも比較的繁殖力が高い部類に入ると私は考えています。我が家の場合は、小さいながらも庭に植えるのですが、こぼれ種が風で飛ばされて、その種が翌年には、庭だけでなく、近隣のいろんな場所で芽を出して繁殖しているんです。綺麗なので、そのままにしていますが。年々その数を増やしているように思います。
この写真は、家の前のガードレールの下にある隙間や土が溜まっている部分に芽を出して花を咲かせている千日紅です。ほとんど土がないにもかかわらずちゃんと成長していますね。この千日紅がまた種を実らせ、風で飛ばすことで繁殖範囲を広げているのが年々見ていると分かるんです。とてもたくましい花です。
千日紅をドライフラワーにしよう
今、季節は6月です。千日紅が咲き始めました。ぼんぼりのような花に見える包葉部分は2週から3週間でだいぶ大きくなります。あまり大きくさせてしまうと可愛さがなくなりますので、適当な時期に摘み取るようにした方がいいですね。ただ、これは好みなので、ずっと咲かせておいて、立ち枯れそうになった頃に摘み取るのでも問題はありません。
私は、少し小さめの千日紅が好きなので、割と早めに摘み取っていくようにしています。
摘み取ったら部屋に戻り、吊り下げ方式でドライフラワーになるように作業します。
今日は、帝王貝細工の花も咲いていて丁度つみ頃だったので1輪だけ摘むことにしました。
園芸用の「ワイヤー入りタイタイ」で小分けして結びます。先端は丸めておいてロープに引っ掛け易くしておきます。
他の花と一緒に吊り下げておきます。湿度や風の具合にもよりますが、3週間か1ケ月でドライフラワーが完成です。
ドライフラワーにしても千日紅のこのピンク色は1年近く鮮やかに色彩を残して、私たちを楽しませてくれます。
枯れた色合いになってしまいました。しかし、これはこれでひなびた感じがして、ドライフラワーとして役立ちそうです。
この色合いの千日紅と、鮮やかな色合いのドライフラワーを指し色にしてアレンジメントしたら素晴らしいものができそうな気がします。
横に一緒に吊り下げているふさふさしたものは、今年摘んできた「チガヤ」です。チガヤの色合いと古くて色素の抜けた千日紅もいい雰囲気ですね。ドライフラワーは、作り立ての鮮やかな色合いのものも素敵ですが、このように色素が抜けた後の花で楽しむと、田舎の鄙びた感じがして、別の意味で素敵な感じがします。
まとめ
今回は、ドライフラワーの優等生である千日紅の栽培とドライフラワーづくりのご紹介をしました。比較的初心者向きの花ですので、どうぞ皆さんもちゃんレジしてみてください。