野の草花で作るドライフラワー

セイタカアワダチソウで渋いドライフラワーを作ろう。

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セイタカアワダチソウとは?

皆さん、セイタカアワダチソウという花をご存知ですか?夏から秋、そして冬にかけて黄色い花を咲かせ、特に秋には草原や河原をあたり一面黄色く染める程の繁殖力を持った花です。多くの方が、花粉症の元凶のように思っていて、まさに嫌われ者の代表的花でもあります。でも、実はそんなマイナスイメージは全て濡れ衣であり、とても役立つ花なんだと知って欲しいのです。というわけで、今回はドライフラワーのことをお話しする前に、少しセイタカアワダチソウの無実の罪を晴らしておきたいと思います(実は、私がこのセイタカアワダチソウのドライフラワーを作っていたら家族から花粉が飛ぶから止めて〜と怒られてしまったのです)。

セイタカアワダチソウは実は花粉症や喘息の原因ではないという事実

そもそもセイタカアワダチソウは「虫媒花」といってハナアブやミツバチなどの虫によって受粉をする花で、杉に代表されるような風に花粉をのせて飛ばす植物「風媒花」ではないのです。さらに花粉も風に飛ばすには重さもかなり重たいので、そもそも風に乗って遠くに飛ぶこともなく、すぐに地面に落ちてしまうのです。これだけの物的証拠というかアリバイがあるので、花粉症の元凶、犯人ではないことがお分かりいただけますね。

えっ!て思った方、たくさんいらっしゃるでしょう。これは事実なのです。ではどうして秋に花粉症がひどくなるの?と思われることでしょうが、どうやら真犯人は同じ時期に花を咲かせる「ブタクサ」という植物。このブタクサはセイタカアワダチソウと見た目そっくりの黄色い花を同時期に咲かせ、いつしかセイタカアワダチソウに罪をきせて、自分はまんまと正体を隠すことに成功してしまったのです。

下の写真はブタクサ。セイタカアワダチソウにそっくりです。

セイタカアワダチソウとブタクサの見分け方

同じ時期に同じような花をつけるこの二つの植物の見分け方を覚えておきましょう。そうすれば、ドライフラワーに挑戦する時、間違って花症の原因となるブタクサを持ち帰ることもなく、家族に怒られることもなくなりますよ(笑)。そして、セイタカアワダチソウを鑑賞用にもっと楽しんでもらえたら嬉しいです。

見分け方 その①:葉っぱの形状が決定的に違う

セイタカアワダチソウの葉は細長く1枚1枚が茎についています。

でも悪者のブタクサの葉は下の写真のようにギザギザでヨモギの葉のような形状をしているので一目瞭然です。

ね、全然違うでしょ。まさにこの真犯人、頭隠して尻隠さずです。

見分け方 その2:背丈が違う

セイタカアワダチソウは1m〜4mにまで背が伸びます。環境によっては1mぐらいしか伸びない所もあるかも知れませんが。ブタクサは1mまで。少し違いは分かりにくいですが、念のためあげておきました。

他にも、セイタカアワダチそうは多年草で地下茎や根が年越しをして何年も生き続けるのに対し、ブタクサは1年草で種だけが便り!というのもあります。ですからブタクサを駆逐するには、種をつける前に刈り取ってしまえばいいわけです。※と言っても近所から種が飛んできたらもともこうもないですが。

さあ、本題のセイタカアワダチソウのドライフラワー作りのお話です

実はセイタカアワダチソウは、もともと観賞用花として日本に持ち込まれたれっきとしたガーデニング フラワーなのです。しかも花は食べることもでき、葉は薬にもなるハーブでもあるんです。外国では、この花から採取したミツバチのはちみつがとても美味しいと愛されているそうです(少し香りに難があり日本では敬遠されていますが)。それぐらい役立つ植物なのに、長年、忌み嫌われてきたなんて可哀想ですよね。皆さんもこの花の復権に力を貸してくださいね。

セイタカアワダチソウの摘み取り時期

どこにでも生えているので、収穫には困らないですよね。でその摘み取りの時期ですが、黄色い花が咲き始めた頃が適期です。あまり満開時期だとドライフラワーにする時に成熟しすぎて、ポロポロと花が落ちてしまいます。これはどの植物でも一緒なのですが、ドライフラワー用に摘み取るのは、咲き始め、ちょっと早いかな〜と迷うぐらいの時が良いようです。そうすれば花びらも落ちないで、花も綺麗な形で残せます。花は摘み取っても少し成長してしまうのです。

セイタカアワダチソウのあの黄色い色は残せるの?

この花の魅力はなんと言ってもあの鮮やかな黄色の花。あの色が残せるのだろうかが一番の関心事ですよね。実際にドライフラワーにしたものをご覧頂きましょう。

残念ながら、ちょっと黄色というより茶色に近いですね。これはハンギング方式で作っておおよそ1ケ月程経過したものです。もっと鮮やかな黄色を残したい方は、シリカゲル方式で作ったら大丈夫だと思います。私も今度はシリカゲル方式に挑戦してようと思っています。

とはいえ、この状態でも結構野性味あるナチュラルなドライフラワーに仕上がっているので、渋めのアレンジメントを楽しみたい方にはいいかも知れません。

同じ自然に自生している植物で「チガヤ」がお薦めというお話をしたことがありますが、それを合わせるとよりいい感じになりますよ。

どちらも秋をイメージさせる植物なので、秋のドライフラワーアレンジメントとしてはいい感じです。

それでももう少し他の色味が欲しい方は、あまり派手でない日本的な花、例えば千日紅などを加えると鄙びた感じを残しながら楽しむことができるでしょう。

このアレンジでは、白のアクセントに花かんざしを入れてみましたが、花かんざしは春の花なので、少し違和感がでているように思います。

やはりドライフラワーといえど、咲く季節の異なるもの同士を合わせない方がいいのでしょう。西洋の花のドライフラワーの場合はそうでもありませんが、自然の草花をドライフラワーに用いる時には、どうしても私たちの五感がその違和感に気付いてしまうのかも知れません。

まとめ

セイタカアワダチソウのドライフラワー、いかがでしたか?もっともっとこの花の魅力に気付いて欲しい、楽しんで欲しいと願っています。秋が来て、この花の咲く時期が来たら、ぜひ皆さん、彼女が無実であることを周りに話してあげてくださいね。そしてその鮮やかな黄色を鑑賞して楽しんであげてくださいね。・・・・間違ってもブタクサを鑑賞しないように(笑)

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